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経験は、どうすれば物語になるのか

henseki

あのとき、どう考えたんですか? なぜ、あんな行動をしたんですか? 

そんなインタビューがドキュメンタリーに命を吹き込むのだと考えてきました。

取材相手は答えます。深くは考えてませんよ… 昔のことだから忘れちゃったな…

僕は、おし黙った相手の口元をじっと見つめます。かすかに唇が動く人は、まだ話を終えたわけではないから。

人は話しながら考えるもの。あのとき、自分はどう考えたのだろう… なぜ、あんな行動をしたんだろう… そして考え始めた人は、新たな行動を起こすのです。

過去をまとめただけでは、本当のドキュメンタリーにはなりません。魅力的な過去を持つ人の、次の行動を、現在進行形で見つめる番組を作ることをいつも目指してきました。

振り返ってみると、物語をつくることは自分自身に問いを投げかけることでもありました。

なぜ、この人を取材したいと思ったの?

心の中にその答えを探しにいくと、自分の問題意識と、その意識を持つきっかけとなった経験にたどりつきます。番組の完成は、自分が長年抱えてきた問題意識を解消することにつながり、救われたような気持ちになることが何度もありました。

問題意識のもととなる「経験」は、大げさなものではありません。子どものころに読んで感動した本だったり、新聞をにぎわせた事件だったり。同じ時代を生きた人の中には、経験を共有している人が大勢いるはずです

あなたの気になるニュースは何ですか? 今、やってみたいことがありますか?

自分にインタビューしてみませんか。なぜ、そのニュースが気になるの? なぜ、それをやってみたいと思うの?

自分の問題意識を形作った経験にたどり着いたあなたには見えてくるでしょう。きょうの自分になるまでの物語が。

そして、考え始めたあなたには、明日の物語が始まるのです。

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